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2001.09.03

涼宮ハルヒの憂鬱(仮)

ここはじっくり読みたい方専用です
まあ、あんまり長くないけどw
ちなみに題名は決まってないので言い題名とかあったら言ってほしいッす
そろそろ涼宮ハルヒの憂鬱(仮)はまずいと思うんでw
誤字脱字はコメントで報告よろしく
あと忙しくてまとめて読めないって人は涼ハルヒの憂鬱(仮)記事別←からいくといいです
ちょっとずつ読んでいけるんで
ちなみに一番最後のページまで自分で飛んでくださいw
面倒だとは思いますけどw

涼宮ハルヒの憂鬱(仮)

その日は、朝目覚めて、鏡を見るまで何か違和感をぬぐえなかった。
これを読んでる人はそんな事を感じたことがあるだろうか?
俺は今、その違和感とやらを感じている真っ最中である。
なぜかって?理由は・・・まあ、順を追って話すことにしよう。
そうだな・・・まず、あの涼宮ハルヒが妙な事を言い始めたところから話すことにしようか。


ある日の俺は、まるで飼い主にしつけられた犬のように今日もSOS団が寄生も同然に根城としている文芸部部室へと足を運んでいた。
やれやれ、慣れたとはいえ習慣っていうのは怖いもんだな。
俺は、部室のドアを二回ほどノックして部室のドアを開けた。
するとそこには、
「あ、こんにちはキョンくん。今、お茶を入れますね」
かわいいメイドさんがいた。
この人は、中学生のような童顔の上級生朝比奈みくるさんである。
朝比奈さんがなぜメイド姿なのかと言うと、
「ごめーん!!遅れちゃったわね!!・・・って、あれ?まだあなたたちしかいないの?てっきりもうみんないるのかと思ってたんだけどね。ま、いいわ」
もうドアを吹き飛ばさん限りの勢いで蹴破ったのは我等がSOS団団長涼宮ハルヒである。
頭のネジが一本どころか全部抜けてるんじゃないかと思うような性格をしているが、スポーツ万能、頭脳明晰、そして黙って立ってれば美少女にも見えなくもないのだが・・・もったいない、いっそ黙っててほしいが、ハルヒがいきなりおとなしくなるなんてことは天と地が逆さまになるぐらいありえないことだ。
まあ、一番の理由が俺がそんなハルヒを見たくないだけなんだがな。
そして朝比奈さんをこんな姿にさせたのもこいつだ。
いったい何をしていると言ってやりたい所だが、まあ、似合ってるしいいかなぁ、と思い始めていたりする。
そして次に現れたのは、
「やあ、遅れてすみません。」
無駄にニヤケハンサム面で部室に入ってきたのは、古泉一樹だ。
別にこんなやつに力を入れて描写することはないんだが、一応言っておくと、この団の副団長であり、ただのボードゲーム好きだ。はい、説明終わり。
そのとき俺は引っかかっていたことを聞くことにした。
「なあ、ハルヒ。長門はどうした?」
長門と言うのは、文芸部唯一の部員であり、部長でもある。
まあ、いてもいなくても同じような空気みたいなやつだし別段説明しなくてもいいような気がしなくもないが、まあ気にしないでおこう。
俺の質問にハルヒは、
「さあ?あたしは知らないわよ?HRが長引いてるだけじゃない?」
と答えた。
ハルヒが知らないんだったら古泉に聞いても無駄だな。
朝比奈さんは、違う学年だから戦力外だな。
「?」
朝比奈さんん顔をじっと見つめていたのが悪かったのだろうか案の定、俺の視線に気づき朝比奈さんはかわいらしい仕草で小首を傾げた。どこまでもかわいらしいお方だ。
ハルヒもこのぐらいおしとやかだったらいいのにな。
・・・想像してみたが、それはそれで怖いので遠慮したい。
と、そんなことを考えていたら部室のドアが開いた。
そして幽霊のような足取りで長門は窓際の長門の定位置へと音もなく座った。
「・・・・・・」
そして本を開き読書を始めた。
いつも思うんだが、こいつは俺たち以外の友達とかはいないのだろうか?
そう思ったが聞かないでおいた。
命の恩人にそんな事言ったらバチが当たる。
これで全員そろったな。
もう一度説明しておこう。
長門有希 宇宙人(正式名称対有機生命体ヒューマノイドインターフェース)
朝比奈みくるさん 未来人
古泉一樹 超能力者
涼宮ハルヒ 神(古泉によると)
そして俺 ただの一般人、または凡人
そんな統一性のない団がSOS団である。
何で俺がここにいるのかは本人の俺でさえ分からない。
ふと、顔を上げるとハルヒが俺のことを見ていた。
なんだ?俺の顔になんかついてるか。
「別にー。ただ、あんたが女になったらどうなんのかなーって、思っただけ」
そうか、俺が女にねぇ・・・想像できんな。
「あたしもその意見に賛成だわ。あんたが女になんて想像できないわね」
なら言うな。
「少し思っただけよ。悪い?」
やれやれ、ま、いいか。
「古泉くんはどうなんのかしら?」
さあな。ただ古泉のことだからルックスはいいだろうな。
「そう?」
たぶんだがな。
「ふーん・・・」
ん?なぜかハルヒがおとなしいな。俺の言っていたことが本当になっちまったか?だとしたらまずいな。天地がひっくり返っちまう。
「何言ってんの?馬鹿じゃないの?」
そのあと、俺は古泉が持ってきたチェスで古泉に連勝してその日のSOS団の活動は終わりを迎えた。


と、ここまでが1週間前の話。
ちなみにハルヒは次の日には元に戻っていて俺たちを振り回していたと言うより台風に巻き込んだような威力のダメージを俺は受けたが、その話はまた今度の機会に。
そして俺は、運命の朝を迎える。


ある日の朝、俺は妹にたたき起こされた・・・のではなく揺り起こされた。
「ん・・・?・・・」
いつもと違う起こし方に俺は少しびっくりしていた。
「キョンちゃん、起きて起きて。」
ん?キョンちゃん?おいおいからかってるのか?
「むー、キョンちゃんねぼけてるぅ」
まあ、いいか。すぐ下に下りていくから先にシャミセンつれて出て行ってくれ。
「はーい。シャミセン行こ?」


下に下りて顔を洗おうとした俺は鏡を見て絶句した。
「な・・・・・え?」
朝倉の時といい、今といい、人ってのは驚くと言葉が出なくなるもんなんだな。
鏡には、俺ではなく、女の俺がしっかりと映っていた。
どのくらいそうしていたのだろうか。
俺が何とか立ち直る位の時間は経過していたと思う。
妹が俺を呼びに来た。
「キョンちゃん?どうしたの?朝ごはん冷めちゃうよってお母さんが言ってるよ?」
「あ、ああ、すぐ行く。すぐ行くから、先に行ってろ」
「はーい」
そして俺は顔を洗い、とりあえず朝食をとるためにリビングへと下りていった。


朝食を食べ終え、部屋に戻って着替えようとするとふと、気づいたことがあった。
制服はどうなるんだ?まさか女物のセーラー服ってことはないよな?
そしてクローゼットを開けた俺はそのまさかを目の当たりにした。
クローゼットの中にはセーラー服はどころか、男物の服など一つもなく、かわりに女物の服がぎっしりと詰まっていた。
・・・やっぱりな・・・こんなことだろうと思ったぜ・・・。
そして俺は、自分がなぜこうなったのかということも分かっちまった。
そう、原因は・・・ハルヒ、お前なんだろ?


俺はとりあえず(いや?もう私とかにしたほうがいいのか?)学校に行くことにしたが、こんな格好で大丈夫なのか?ほかのやつらはどうなってるんだ?
とりあえず妹は大丈夫だったが、まさか全員性別が変わってるんじゃなかろうな?
そんなことを考えながら駅から出ると、目の前に谷口がいた。
よかった、俺以外は大丈夫そうだ。
そう思って俺は谷口に、
「おーい、谷口―」
と声をかけた。すると谷口は
「誰だ?」
といったが、すぐに、
「何だキョン子か。俺に何か用か?」
・・・前言撤回、何だキョン子って。
こりゃあ、まずいことになったな。
ほかのやつらの記憶が改竄されてやがる。
その時俺は、SOS団の面々が気になったが朝比奈さんはともかく、あの長門や古泉のことだからな、大丈夫だろうと思った。


・・・のだがなあ・・・こいつは・・・どういうことだ?
いつものように部室に顔を出したが、目の前にいるのは、
「やあ、おはようございます」
あの、古泉が俺の目の前に女となって立っている。
「困ったことになりました。見たところあなたも私と同じようですね」
こいつ・・・早速自分の呼び方を変えてやがる。
女になっても、ムカつく口調は相変わらずだな。
「ふふふ、まあ、そんなことより今はこの状況について把握したほうがいいですよ?」
そんなこと分かってるさ。
「そうですか。それはよかった」
とりあえず、今のところは性別が変わったのは俺たちだけのようだな。
「そうみたいですね。ですが私たちの性別が変わったと分かる人は・・・」
おそらく、SOS団のメンツだけだろうな。
「そのようですね。現にこうして私たちはお互い変わったと分かるわけですから」
そうだな。
じゃあ、この状況をどうするかだが・・・と、言いかけたときに誰かがノックする音が聞こえた。
そして扉が開くとそこには、
「あ・・・あれ?キョン君と古泉君ですか?」
「・・・・・・」
朝比奈さんと長門だった。



俺達(いや?もう私達か?)は朝比奈さんと長門に事情を説明し(長門に説明する必要はあったのだろうか?)、とりあえずハルヒが来る前にどうするか決めることにした。
「では、これからどうするかですが、どうしたらいいと思います?長門さん」
「状況を把握するために様子を見たほうがいい」
「だ、そうですよ?あなたはどうしたらいいと思いますか?」
どうしたもこうしたもない、俺も長門の意見に賛成だ。
「そうですか。では朝比奈さんは?」
「あ、あたしも涼宮さんの気がおさまるまで待ったほうが・・・」
「ふむ、結論としてはこんなところでしょうね。では現状維持ということでいいですか?」
「・・・・・・」
「あ、はい」
ああ、それでいい。
とりあえず、打開策とはいえない結論が出た俺達はいったん教室に戻ることにした。
それにしても今日は部室にハルヒが来なかったな。
何か別の用事でもあったのだろうか?


そして、何の問題もなく俺達は授業を終え部室へと向かうことにした。
ハルヒは俺の性別が変わったことには気づいてなかったようだが、妙に静かだったな。
ま、ハルヒが静かなのはいいことだが、その反動がデカイ分後が怖い。
何も起きなけりゃいいがな・・・
そんなことを考えてるうちに、部室へと着いたが、うーむ・・・どうしたものか・・・。
ハルヒと会ったらどうすりゃいいんだ?
今日は一言もハルヒとしゃべっていないからな・・・
ええい、こうなりゃどうとでもなれ!!
俺は部室のドアをノックし入る。
そこにはすでに、全員揃っていた。
古泉は俺に向かって苦笑している。
朝比奈さんはメイド姿のまま椅子に座って俯いている。
長門はいつもの定位置に座って読書をしている・・・と思ったんだが、俺のほうをじ~~っと見ている。
おいおい、長門?なんで俺を見ているんだ?
そんなに見つめられると何かあったのかと勘繰っちまうぜ?
と、ひとしきり見終わったのか長門は俺を見るのをやめて、読書を開始した。
なんだったんだ?いったい。
そして沈黙。
俺はこの沈黙をどうすりゃいいのかと思ったが、思わぬところから沈黙を破ってきた。
「ねえ、キョン」
それはハルヒだった。
俺はとりあえず、
「?なん・・・何?」
と、女の口調で聞き返してみる。
ハルヒはそれが気に障ったのか、
「な・ん・で、あんたと古泉君が女になってんのよっ!!」
と怒鳴ってきた。
それどころか俺の胸倉をつかみかかってきた。
「ちょ、ちょっと待てって!!俺だって何でこうなったのか・・・ってハルヒ。何でお前がそのことを知ってんだ!?」
「知ってるも何もないわよ!!あんたがいきなり女になって登校してきたら、気づくわよ!!それなのに、みんなは当然のようにあんたとしゃべってるし、もう分けがわらないわ!!」
俺は古泉のほうを見た。
すると古泉は小声で、
「どうやら、涼宮さんも気づいてたようですね。ですが理由が分かりません、彼女がなぜ気づいたのかということだけはね」
はあ・・・古泉もお手上げか。
ハルヒはすでに手を離し椅子に座っていた。
長門はというと、
「原因不明」
とだけいって、読書に戻っていった。
おいおい、そりゃないぜ。
長門にも分からないものを俺に分かる訳がないだろ?
・・・まあ、原因はこいつ・・・ハルヒにあるんだろうけどな。
俺にいったいどうしろと?
「それは簡単なことですよ」
何が簡単なことだ。
ならその、簡単なこととやらを言ってみろ。
「この状況を説明すればいいんですよ」
な・・・!馬鹿!そんなことしたら・・・!
「涼宮さんのことは話さずに説明すればいいんですよ。それについてはあなたの手腕がかかっています。がんばってくださいね?」
くっ・・・ハルヒの相手は俺がやれってか・・・クソッ!しかたないやってやるさ。
「な、なあハルヒ」
「何よ?」
「実を言うと俺達にも何でこんな状況になったのか、皆目見当がつかん。朝起きたらもうすでに、この状態で服もすべて用意してあった」
「・・・じゃあ、何でみんなはあんたと古泉君に普通に接してるの?」
「それも俺には見当がつかないな。だいたい、何で俺と古泉なのかって言う理由も分からないんだからな。で、俺と古泉が出した結論はとりあえず、戻るまでこの姿のまま過ごそうってことになったんだ」
「それ、ホント?」
「あ、ああ」
「何か隠してることないの?」
くっ・・・鋭いやつだな・・・さすがはハルヒといったところか。
「いや?別にないぞ?」
「・・・・・・そう、ならいいのよ。・・・でも!あたしは納得したわけじゃないからね!!」
なにがだ。
「あんたたちのことに決まってるじゃない!!」
そうかい・・・。
「それじゃ、今日は解散!!」
ハルヒは号令をした後すぐに部室から出て行った。
ふう・・・何とか誤魔化せたようだな。
「見事でしたね。いや、お世辞ではないですよ?」
お前が言うと、お世辞にしか聞こえん。
「ひどいですね、ふふふ」
何だその笑い、いいたいことがあるならはっきり言え。
「いえいえ、別にないですが?」
ふん・・・そういうことにしておいてやるさ。
で、これからどうするんだ?
「ああ、そのことですがね。あなたの言った事をしようかと思いまして」
?俺の言ったこと?なんか言ったか俺?
「ふふふ、やはり・・・」
・・・なんだ?
「いえ、なんでも。あなたが涼宮さんに言ったことですよ」
俺が、ハルヒに言ったこと?・・・じゃあ、自然に回復するのを待つって事か!?
「はい、そのとおりです」
・・・やれやれ、自分で言っといてなんだが嘘から出た何とやらだな・・・はあ・・・。


ということで俺達は体が元に戻るまで=ハルヒの気が変わるまで待つことになったわけだが・・・この状況はいったいどういうことなんだ?
「どうしたもこうしたもありませんよ。私達は今、涼宮さんの手によってこんなことをさせられているわけですから」
まあ、その通り・・・なんだが・・・。


とりあえず状況を説明すると、昨日の嘘から出た何とやらを実行するために今日も学校に来て、普通に授業を受けていた後の、つまり放課後、放課後には部活があるわけだが・・・、俺と古泉は普通に部室に来て、普通に椅子へと座った。
俺と古泉は、だ。
約一名普通じゃない入り方をしたやつがいた。
・・・ここまで言えばわかるだろ?
そう、我がSOS団の団長(自称)、涼宮ハルヒだった。
「キョンー!古泉くーん!いいものもってきたわよー!」
と言う掛け声とともに、また部室のドアを蹴飛ばさんが勢いで入ってきた。
そしてその両手には紙袋が手にされていた。
おい、待て。
その両手に持ってるものは何だ?
「ふふーん♪これはねえ・・・じゃじゃーん!!」
という、某猫型ロボットのような声とともに出したのは、カチューシャだった。
って、なぜにカチューシャ?あの、まったく意図がつかめないと言うか・・・つかみたくないと言うか・・・。
とか言ってる間に、ハルヒは全アイテムを出していた。
「ふふーん?いい?これから二人にはメイド服になってもらうわ!!」
「え・・・?」
おいおい、冗談はよせ、第一俺達は男じゃ・・・
「あら~?あんたのどこが男なのかしら~?」
あ・・・まずい、絶体絶命・・・
「仕方ありません、私は着ましょう。あなたはどうします?」
いや、俺は・・・くっ!仕方ない・・・これも元に戻るためだ・・・。
「いや~、二人とも素直でいいわね~。うん、素直なのはいいことよ」
なあ、ハルヒ。
「何?」
とりあえず、着替えたいんだが・・・。
「着替えればいいじゃない」
いや、でも俺は・・・男じゃないな・・・。
はあ、仕方ないか・・・。


と言うわけで今メイド服を着てるんだが・・・朝比奈さん、あなたの気持ちが少しだけわかった気がしますよ・・・。
ハルヒはというと
「・・・・・・なんかムカつくわね・・・」
?何がムカつくんだ?
「!べ、別になんでもないわよ!!」
そうか?・・・ま、いいか。
「ふふふ、相変わらずですねえ」
なにがだ。
「いえ、何でも」
俺から言わせてもらうとお前のほうが相変わらずなんだが。
って、おい!ハルヒ、写真を撮るな!
「別にいいじゃないの。減るもんじゃないし」
やれやれ、こいつも相変わらずだな。
こうして、SOS団ファッションショー(?)なるものが終わった。
その後気づいたんだが、ハルヒの腕章が「超ファッションデザイナー」になっているのに気づいた。



あの後、俺達は(達、というのはもちろん古泉も含めての意味である)いろいろな衣装を着せられ、デジカメの容量がいっぱいになるまで、ハルヒによって写真を撮られ続けた。
しかも、あろうことかハルヒはその写真を俺が作ったトップページしかないSOS団のホームページに載せようといいやがった。
もちろん、俺がそんな事させるはずもなくしかも、珍しく古泉までもがハルヒを説得させて何とかやめさせる方向で落ち着いた。
まったく・・・ハルヒのやつも、もう少しまともなことを考えないのか?
・・・いや、ハルヒがまともなことを考えた後には必ず、まともじゃないことが俺達SOS団の面々(主に俺)に降りかかるのだ。
それだけは勘弁してもらいたいね。
俺は、自分に襲いかかって来た宇宙人を倒す力もなく、ましてや未来と過去を行ったりきたりする力もなければ、青色の巨人を倒す力もないのだ。
それなのに、何で俺ばっかり面倒なことに巻き込まれるんだろうね?
はあ・・・こんな事言ってもしょうがないか・・・。
どうせ原因はひとつしかないのだから。
と、ここまで考えてるうちにいつの間にか家についていた。
俺は家の扉を開け、靴を脱いでリビングのドアを開けるとそこには、
「あ、キョンちゃんだー!おかえりー!」
妹がいた。
「ただいま。母さんは?」
「今、お買い物に行ってるー」
「そうか。食事の準備ができたら呼んでくれ」
「はーい」
と、いつも通りの会話を妹として、自分の部屋へ向かった。


そして、食事を済ませた俺は早めに寝ることにした。
そして俺はその晩、夢を見た。


ジリリリリリリリリ!!!!・・・カチッ。
「・・・ん・・・・・・あれ?・・・何か夢を見ていたような気がするんだが、思い出せん・・・」
ま、思い出せないということはきっとどうでもいいことだったんだろ。
そう思った俺は、一階に下りて顔を洗い、食事を済ませて着替えをしていたときだった。
ピリリリリリリリリ・・・
ん?誰だ?こんな朝早く・・・?
ピッ!
もしもし?
「ああ、よかった」
・・・なんだ、お前か・・・何のようだ?
「ええ、実は少しお話したいことがありまして」
やけにまじめな声だな。
「まじめな話です、よく聞いてください。実は・・・」



俺は、谷口と国木田と一緒に弁当を食いながら朝、古泉に言われたことを考えていた。
古泉は俺にこういっていた。


「私たちのこの、性転換についてのことです」
何だと!?何かわかったのか!?
「ええ、これは私にしかわからないことだと思います」
おい、もったいぶらずに早く言え!
「わかりました。この騒動の原因は涼宮さんだ、とあなたはおっしゃってましたよね?」
ああ、それ以外に可能性がないからな。
「もし、そうであったなら、涼宮さんは私たちの異変に気づくでしょうか?」
何を言ってる?ハルヒのやつが気まぐれを起こすことぐらいありえることじゃないか。
「ええ、確かにその可能性は否定できません。ですが、私たちを見た涼宮さんの反応や行動をよく思い出してください」
?ハルヒの反応や行動?・・・たしか、俺を見るなり胸倉をつかんできて怒ってたな。
その後は・・・すぐにその日の部活は終わったんだっけ。
「ええ、そのとおりです。ですが、私が言っているのはその日のことではありません」
?じゃあ、次の日か?確か次の日は・・・ハルヒはもう元にもどってて、俺達にメイド服を着せてたな。
「そのとおりです。ですがそれは行動についてのことです。涼宮さんの反応はどうでした?」
反応だと?そんなこと、いちいち覚えてられるか。
「・・・そうですか・・・、では私の口から言うしかないですね」
ああ、ぜひともそうしてくれ。
「いいですか。私が言いたいのはこの騒動は涼宮さんのせいじゃない、ということです」
はあ!?何いってんだ!?ハルヒ以外にこんなこと出来るやつなんているわけないだろ!
「本当にそうと言い切れますか?前にも言いましたよね?私は涼宮さんの精神面についてはスペシャリストだと」
そういえばそんなこともいってたな。
「少なくとも、私にはわかります。涼宮さんは・・・」


「ハルヒは俺達が女になることを望んでいなかった・・・か・・・」
俺は、古泉のやつに言われたことを反芻していた。
その声が聞こえたのか、谷口と国木田が俺に聞いてきた。
「涼宮さんがどうしたって?」
「おいおい、キョン子よお・・・もはや心は涼宮のものか?残念だったな・・・・もう手遅れだな」
谷口、変な事言うな。
それに俺はハルヒとは一言も言ってないぞ。
「隠すな、隠すな。わかってるさ、お前はハルヒのことが・・・」
谷口・・・それ以上言うと、どうなっても知らんぞ・・・。
「・・・わ、悪かった。もう言わん・・・」
まったく、谷口のやつ・・・と、そんなことよりハルヒのやつがどこに行ったか知らないか?
「キョン子よお、涼宮のことを俺が知るわけないだろう」
・・・そうか。
ところで、その「キョン子」ってのは何だ?
「お前のあだ名に決まってるだろ?なあ、国木田。」
「そうだよ。キョン子はキョン子じゃないか。・・・今日のキョン子は少し変だよ?」
あ、ああ、そうだった。悪い悪い・・・。
そして弁当を片付けた俺は席を立った。


ふー・・・危ない危ない・・・危うくアホの谷口と国木田にバレるところだったぜ・・・。
まったく、ハルヒほどじゃあないが、谷口や国木田も結構鋭いからな・・・やれやれ・・・。


そんなこんなで、俺はいつも通り我が傍若無人な団長様が待つ部室へと足を運んでいた。


今日はまともな部活のようだ(この非公認団体にまともも何もあったもんじゃあないな)。
それはなぜかって?ハルヒがこう言い出したからだ。
「今日はSOS団定例ミーティングを行います!!」
そしてハルヒはそう言ったきり、満面の笑顔のまま口を閉じてしまった。
それはそれでいいんだが、何かいやな予感がするな・・・なんだろう?
と、考えていたらハルヒが言った事を聞き逃していた。
はあ、仕方が無い・・・もう一度言ってくれるよう頼むか・・。
「すまん、ハルヒ。もう一回言ってくれるか?」
「ふふーん?別にいいわよ?」
あ、やば。
なんかまたいやな予感がしてきた。
そしてこの後俺はいやな予感のの正体を知る。


その日の放課後。
俺は軽いハイキングコースを降りていた・・・のだが・・・はあ・・・。
隣では古泉が、
「ははははは・・・はあ・・・」
と珍しくため息をついている。
無理も無い、あんなことをハルヒにされたんだからな。
何をされたって?思い出したくないんだがな・・・。


「今日は古泉く・・・さんとキョンが、何でこうなっているのかを調べるのよ!いい!?」
あのー、ハルヒ?今なんて言った?
「だあーかあーらあー!!あなたたちが何でこんなになっているのか調べるのよ!!」
え?ど、どうやって?
「決まってるじゃない。あんたと古泉く・・・さんの体を調べるのよ!!」
お、おい!待て!少し冷静になって考えてみろ!俺と古泉の体調べて何になる!?
「そんなこと調べてみないとわからないじゃない」
それは・・・まあ、確かにそうだが・・・ってちょっと待て!
危うくお前の口車に乗せられるところだったじゃないか!
「涼宮さん、彼女の言うとおりです。私たちを調べても何も出てきませんよ・・・たぶん」
おーい、古泉―?何自信無くしてんだー?いや?こういう古泉も珍しいから、じっくり見ておくべきか?・・・ってそんな場合じゃなかった。
とにかくハルヒ、俺を調べたって何も・・・って何もう脱がしてんだ!ちょっ・・・やめろ!
やめろおぉぉぉぉ・・・・・


という事があった・・・もちろん古泉も巻き添えだ・・・。
そして、容疑者ハルヒはというと、
「ふふーんふふーふ、ふーふふーん♪」
鼻歌なんか歌ってすっかりご機嫌なようだ。
朝比奈さん・・・あなたの気持ちが始めてわかりましたよ・・・
やれやれ・・・こんなことが元に戻るまで続くのか?
そんなことを考えながら歩いているといつの間にか、SOS団の面々が別れる交差点へと来ていた。
「では、また明日」
古泉のやつ、あのショックからもう立ち直ってやがる。
その点だけは感心すべきなんだろうな。
古泉の次に朝比奈さんが、
「また明日」
と微笑みながらいってくれた。
やはり朝比奈さんはいつ見てもお可愛らしい。
外見は女でも中身は男だからな、そりゃあそんなことも考えるさ。
考えるとも!悪いか!
そんなことを考えていると、
「・・・・・・」
長門が無言でこっちを見ていた。
どうした?俺の顔に何かついてるか?
「別に」
そうか。
「そう」
という、会話とも思えない会話を交わし長門は去っていった。
残るハルヒというと、
「明日の市内探索遅れるんじゃないわよ!!」
と言い残して堂々(?)とした足取りで帰っていった。
・・・俺も帰るか・・・。


家に帰った俺を出迎えたのは妹だった。
「お帰り、キョンちゃん」
「ああ、ただいま。母さんは?」
「今、手が離せないんだってー」
食事を作ってる最中なのか。
なら邪魔をするのは悪いな・・・部屋で待つか。


そして食事を済ませて、風呂に入っていた時、
「キョンちゃんー、電話―」
と妹が入ってきた。
一瞬「入るな!」と言いそうになったが、よくよく考えてみると女同士なので別に良いか、とか思ったが結局中身は男なので恥ずかしさが勝り、
「おい、勝手に入ってくるな」
と言ってしまった。
でも、俺は外見的には女であり、そして今の言動はとても不自然なんじゃないかと思ってきた。
と、そんなことを考えてるうちに妹はどこかに行ったようで、俺は電話の受話器を手に取り、髪の毛をタオルで拭きながら電話に出た。
電話の主は、
「ああ、キョンく・・・ちゃんですか?よかったぁ~・・・」
かわいらしい声の人だが、俺はこんな声に聞き覚えはないし、それに女の声みたいに高い声だがそれは「男」の声だった。
「あのー、どちら様でしょうか・・・?」
相手が誰なのかもわからずに電話に受け答えする馬鹿じゃないので、一応誰かは聞いておいた。
「やっぱりわかりませんよね・・・。あの・・・私です、朝比奈みくるです」
は・・・?何の冗談ですかそれは?
「信じてください、ちゃんと証拠もいいますから」
証拠?
「はい・・・えと・・・私の胸のところに星型のほくろがあるって言ったのってキョンく・・・ちゃんですよね?」
な、なぜそれを!?俺は朝比奈さん本人以外にそれをいった覚えはないぞ!?
「私が朝比奈みくるです。気がついたらなぜか・・・その・・・男の子・・・になってたんです・・・」
そんな馬鹿な・・・。
朝比奈さんまで性別が換わってしまうなんて・・・。
朝比奈さんまで変わってしまったということは・・・まさかな・・・。
事情はわかりました。
とりあえず俺と古泉のように現状維持ということでいいですか?
「は、はい・・・キョン、ちゃんがそういうなら・・・」
そこまで話して俺は電話を切った。
やれやれ・・・この騒動の原因がハルヒじゃないとしたらいったい誰だ?
なぜ俺たちの性別を換えるようなまねをした?
・・・はあ、今考えても仕方ないな。
とりあえず、俺は明日の市内探索に向けてしばし休息をとることにした。
明日、俺がとんでもないものを見ることになるとは、そのときの俺は夢にも思ってはいなかった。


そして市内探索パトロールの日がやってきた。
俺は珍しく早起きをして準備を済ませていた。
朝食を食べている途中に妹が上から降りてきて、
「わ、キョンちゃんが早起きなんて珍しー。今日は雪が降っちゃうかな?きゃは☆」
と、兄(姉か?)に対してものすごく失礼なことを、ハイテンションな口調で言い放ちそのままどこかへいってしまった。
ま、どうせ友達とかと約束でもしてるんだろう。
と、そんなことを考えてるうちに時間になった。
さて、遅刻は罰金、だったよな。
できるだけ遅刻は回避したいので、俺は集合時間の30分前の8時30分に家を出た。


自転車をこぎながら俺は、今日もどうせ無駄足になるのかなどと考えていた。
何せSOS団発足以来、この市内探索パトロールで目に見える成果を得たことなど何もないからな。
俺は自転車を電柱の後ろに押し込み、集合場所へと向かった。


やれやれ・・・集合場所には全員がそろっていた。
まったく、まだ集合時間の15分前だというのにご苦労なことだ・・・とは思わなかった。
なぜかって?
それは俺の目の前に立っているSOS団の面々についてのことだ。
目の前には、古泉
「どうも」
その隣に朝比奈さん(男)
「おはようございます・・・」
ここまでが俺が把握していたことだった。
だが、次からは俺の知らないものだ。
朝比奈さんの隣の長門(男)
「・・・・・・・・・・・・」
そして長門の隣のハルヒ(男)
「遅い!罰金!!」
何だ?この状況は?
古泉はもうとっくに知っている。
朝比奈さんからは昨日電話があった。
だが長門は?ハルヒは?
いや知らない・・・。
「おい、ハルヒ」
「?俺はハルヒコだぞ?なに言ってんだキョン?」
な・・・!?
おいおい、冗談じゃないぜ・・・今度はハルヒの(自分でハルヒコって言ってたな)記憶が改ざんされてやがる。
見たところ、古泉や朝比奈さん、それに長門はそのままのようだが、この分じゃいつ記憶が改ざんされるともわからん。
くそっ・・・俺にいったいどうしろってんだ・・・。
しかもこの騒動の原因はハルヒじゃないって古泉が言っていた。
じゃあ、いったい誰だ?
まさか、雪山山荘事件のときみたいに周防(すおう)のような・・・なっていったけな・・・長門の言葉を借りるなら「天蓋領域」とやらがやっているのか?
いや、こんなことをしてやつらに何のメリットがあるんだ?
俺が困り果てるだけで何もメリットはないと思うが・・・。
それとも。朝比奈さん誘拐事件のような古泉の所属している「機関」の敵対組織とやらが・・・ってそれはないな。
古泉が言うには超能力が発揮されるのは一定の条件がそろわないと発揮できないそうだからな。
ということは、あのいけ好かない未来人野郎(藤原・・・だったかな)の所属している組織の・・・ってこれもないな。
どうせできるのはタイムトラベルぐらいだろうし(いや、それでも十分にすごいことなんだが)周防の例のように俺たちを性転換させて何のメリットがあるのかがわからない。
くそ・・・結局結論は出ず、か・・・はあ・・・
それにしても何で俺がこんなことに巻き込まれてるんだ?
だいぶ前にも言ったと思うが、俺には超意識集合体とコンタクトなんかできないし、タイムトラベルもできない。
ましてや超能力なんてあるはずもなく(そのあたりは古泉が調べたらしい)世界中のどこにでもいる凡人なのだ。
その凡人の俺が宇宙人や未来人や超能力者と同じ団にはいっていて、さらにはその団の団長(自称)が超能力者の言うところの「神」だなんて、悪い冗談にもなりゃしねえ。


そんなことを考えながら市内探索パトロールをしていたら、いつの間にか時間になりその日は解散、ということになった。
さて・・・明日は休日、市内探索パトーロールもないのにいやな懸案事項を抱えちまった。
やれやれ・・・。


次の日
俺はこの問題をどうすべきかみんな(もちろんハルヒ、いや?ハルヒコか?は呼んでいない)と昨日集まった喫茶店で集合ということになった。
時刻は8時30分。
集合時間の30分前だというのになぜかみんなはもう喫茶店の前に集まっていた。
なるほど、これじゃあ俺が最後になるのも納得がいく。
と、そんなのんきなこと考えてる場合じゃなかった。
俺たちSOS団の面々(団長抜き)は昨日とまったく同じ場所に座ってこれからどうするのか考えることにした。
そして司会は、
「さて、この状況ですが。一体どうしたらいいと思いますか?」
なぜか古泉が司会者だ。
・・・まあ、なぜか違和感はないからよしとしよう。
と、唐突に目の前に座っている朝比奈さんが、
「あの、少しいいですか?」
と聞いてきた。
もちろん俺に異論はない。
「どうぞ?」
と古泉が言った・・・なぜお前が仕切るんだ。
「もし、わ・・・僕、たちが一生このままだったら未来はどうなるんでしょう?」
「未来の朝比奈さんは男性になって今までの記憶は改ざんされる・・・ということになるでしょう」
おいおい、そんなことって本当にあるのか?
「いえ、ただの推測です。ですが私としてはそうなる可能性が高いと思うのですが・・・あなたはどう思います?」
そんなこと俺が知るわけないだろう。
「そうですか・・・で長門さんは?」
「この先の僕たちの未来がどうなるかは僕にも予測できない」
・・・長門の一人称が変わるだけでどうしてこうも印象がかわるんだろうな?
と、そんなことはおいといて。
俺としてはできることはする。
だが、今は様子見、という方法が一番適切だろう。
「あなたもその意見にたどり着きますか・・・私もそう思います」
古泉は仕方なく、といった風な口調で俺の意見に賛成した。
「わ・・・僕、もその意見には賛成です」
朝比奈さんも賛成。
「・・・・・・」
長門は何も言わなかったが、俺には長門の頭が数ミクロン縦に動いたように見えたのでとりあえず賛成として扱った。
賛成4、反対0、満場一致でまたしても現状維持、ということになった。
やれやれ・・・こんなことでいいのか?
そして俺たちは、それぞれが注文したドリンクを飲み干し、解散ということになった。


次の日
俺は支度を済ませ現在は毎朝通っている通学路=ハイキングコースをえっちらおっちらと登っていた。
さすがに1年も通うと慣れてくるが、どっちにしろ面倒なのには変わりないな。
ん?そういえば今日は谷口や国木田たちを見かけないな。
まあ、こんなブルーな気持ちを抱えてるときに谷口のアホ面なんて拝みたくないが。
俺は、この時まだ世界の異変に気づいていなかった。
何?気になるって?なに、すぐにわかるさ。
俺が体験した、衝撃の事実はな・・・


俺は学校について、言葉を失った。
理由?それは俺の目の前に広がっているこの光景にある。
おい、古泉・・・ほんとにこれはハルヒの仕業じゃないんだな?
俺の目の前には、
「おはよ、キョン子!」
「おはよう、キョン子」
谷口と国木田が目の前にいるわけだが、なぜか二人は「女」になって俺の目の前に立っている。
おい、これは冗談だよな・・・?
どうせ、二人が俺をからかってるだけなんだろう?
「何言ってんの?ま、それよりさ、早く教室に行かないと遅刻するよ?」
「そうそう、早く行きましょ!」
言葉遣いも女になってやがる・・・。
くそ・・・こりゃ、俺をからかってるってわけじゃあなさそうだな。
はあ、一体どうすりゃいいんだ?
まったく、古泉よ・・・この状況を凡人の俺がどうにかできるとでも思ったのかよ?
はっきり言おう。
無理だ。


教室に入ってみるとなんと全員の性別が変わっていた。
だが、ここまで来るときに性転換した人は見かけなかった。
ということは、まだ北高だけということか。
・・・どっちにしろ、俺にどうこうできる問題じゃあないな。
そう結論付けた俺はその後の授業を普通に受けて(ま、ほとんど寝てたが)放課後を迎えた。


「私がこの騒動が涼宮さんの仕業ではない、と結論付けた理由は二つあります」
・・・唐突だな。
「まあ、いいじゃないですか」
と、今は放課後。
SOS団が寄生してる文芸部室での会話。
ちなみにハルヒコはまだ来ていない。
ま、来てたらこんな話できるわけがないから当たり前か。
「どうしました?」
いや、なんでも。
それより、話を続けてくれ。
「そうですか。では、まず一つ目。これは私の能力に関係することです」
あの、赤玉になって空を飛ぶ能力と何か関係があるのか?
「・・・あの能力は閉鎖空間内だけの能力です。私の主な能力は涼宮さんの精神面を感知できる、というものです」
そういえば、そんなことも言ってたな。
「それについては説明できないのですが、涼宮さんが何かアクションを起こすときにはかならずあるものが発生していました。これが何かわかりますか?」
俺が知るわけないだろう。
「それもそうですね。・・・閉鎖空間ですよ。彼女・・・いえ、今は彼といったほうがいいでしょうか。ともかく彼が何か世界を変えるよなことをする場合は、必ずといっていいほど閉鎖空間が発生してました。そして閉鎖空間が発生する条件、それは?」
・・・ハルヒ・・・コのやつが不機嫌になったとき、だろ?
「ご名答です。ですが、今回は閉鎖空間が発生しなかった。それはなぜだと思います?」
ええい、回りくどいな。
ハルヒ、コのやつが不機嫌じゃなかったから、じゃあないのか?
「そうです。では最後に。世界が涼宮さんに手によって改変されるのはどんなときですか?」
それは・・・ハルヒコが不機嫌になったとき・・・そういうことか。
「納得してくれましたか」
そういって古泉は鞄からチェスを取り出した。
「どうです?一勝負」
かまわないが、賭けはするのか?
「あなたがする、というのなら」
じゃ、やめておこう。
「わかりました」
俺はこの後、古泉に連戦連勝した。
やっぱり賭けておけばよかったかな、と思ったのはまあ、古泉には言わないでおくことにした。


その日の帰り道。
俺はハルヒコの姿を見つけた。
場所はハルヒだったときに「自分がどれだけちっぽけな存在か―――」という話をしたあの踏み切りだった。
その場で立ち尽くしていた、ハルヒコを見て俺はなぜか胸が苦しくなった。
なぜか声をかけないとって思った。
でも俺も立ち尽くしたままハルヒコに声をかけることができなかった。
その状態がどのくらい続いただろうか、たぶん1分もたっていないように思えるが俺はもっと長く立ち尽くしていたように感じた。
そして、唐突にハルヒコが話しかけてきた。
「そこで何してんだ?お前」
「・・・別に。お前が何してんのかなー、って思ってただけだ」
本当のことは言わないでおいた。
「そうか」
「で?いったい何してたんだ?ハルヒコ」
何回もハルヒコって言ってたらそりゃ慣れるが、やっぱり違和感があるな。
「なんかさ、違和感があってな。なんて言うか・・・ボタンをひとつ掛け違えたような・・・そんな違和感がさ」
・・・なんか女のときのハルヒとだいぶ変わってるように思えるな。
「・・・お前の気のせいなんじゃないのか?」
「そうか」
沈黙・・・。
やっぱりハルヒらしくない。
でも何でこんなこと言ったのかは俺でもわからない。
言うつもりはなかったのに、言ってしまった。
「なんだ、前のお前らしくないぞ」
「前の?」
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「・・・・・・帰るから」
「そうか、じゃあな」
ハルヒコはそのまま踏み切りをわたって帰ってしまった。
あ・・・なんで今日来なかったのか聞き忘れた・・・。
まあ、明日聞けばいいだろう。
そう思って俺は、とりあえず家に帰ることにした。


その日の夜
俺はまた夢を見た。
北高の制服を着ている女の子が出てきた。


ジリリリリリリリリリリリリ!!!!・・・カチッ
夢・・・か・・・。
いったい誰だろうな。
まあ、顔がわからないということは知らない人なんだろう。
ん?待てよ?顔も知らない人が出る夢なんて見ることあるのか?
そういえば、前にもこんな夢見たような・・・気のせいか?
ま、いいか。
今度フロイト先生の本でも読むか。
さてと、さっさと支度を済ませよう。


朝飯を食って支度を済ませた俺は、いつもより早く家を出た。
そしていつものハイキングコース。
谷口(女)と国木田(女)と出会い、無駄話をしながら坂道を登っていたらいつの間にか、校門前についていた。
にしても・・・慣れと言うものは恐ろしい。
この状況がわかってるのに普通に生活してる。
俺って、結構大物かもな。
なーんてな、そんなことあるわけない。
俺はただの一般人、凡人、成績は中の下、普通の人だ。
俺は上履きを下駄箱に放り込み教室へと向かう。


教室に着くと俺の後ろの席、つまりハルヒコの席が空いていた。
・・・?ハルヒコのやつまだ来てないのか?
いつもなら俺より早く学校に来て、机に突っ伏してるか変な事を考えてるのに。
珍しいこともあるもんだな。
俺はハルヒコが来るまで何をしていようかな、などと考えていた。
俺があいつのこと考えるなんてな。
だが、どうやって昨日の事を聞き出そうか・・・。
そんなことを考えてるうちにHRのチャイムがなった。


そしてハルヒコは今日は来なかった・・・。


その日の部室での出来事
俺は古泉と二人で久しぶりにオセロをしていた。
まったく・・・なんでハルヒコのやつ今日、学校に来なかったんだ?
と、半分独り言のようにいってたのだが、
「さあ?それはわかりかねますね」
古泉が無駄に言った。
コトッ
オセロ盤の独特の音が部室に響く。
コトッ
「どうしたんですか?・・・もしかして涼宮さんのことが気になるから集中できないのでは?」
コトッ
そんなことはない。
コトッ
「そうですか?あなたの言うとおりなら私は今頃とっくに負けているはずなんですがね」
何?
と顔を上げると古泉のまじめな顔があった。
「この騒動のことを考えていても今はどうしようもありません。犯人の目星がつくまで今までどおりに過ごしていたほうがいいといったのはあなたですよ?」
・・・ちょっと待て。
俺は犯人の目星がつくまでとか、今までどおりとかいった覚えはない。
「そうでしたか?」
ああ、そうだ。
勝手に変な脚色を加えるな。
と古泉の顔がいつものにやけスマイルに戻ったところで勝負を再開した。


3時間後

もちろん俺は古泉に連勝してその日の部活動は終わりを迎えた。
こんなもの部活といえるのかどうかも怪しいものだな。
どうせなら、ボードゲーム研究部に名前を変えてみたらどうだ?
・・・ま、文芸部室に寄生してる時点で部活じゃあないな。
そんなことを考えながら歩いていると前方に見知った顔を見かけた。
ハルヒコだ。
しかも制服姿の。
昨日とまったく同じ場所に立って、昨日と同じ空を見上げている。
そのときの俺に何か拭い去れない違和感が襲った。
何だこれは・・・?
思ったときにはもう違和感はなかった。
?なんだったんだ?今の違和感は・・・?
と考えてると、
「そこで何してんだ?お前」
昨日とまったく同じ事を聞いてきた。
「・・・別に。お前が何してんのかなー、って思っただけだ」
あれ?
こんなことを言うつもりはなかった。
だが口がいうことを利かない。
「そうか」
体がいうことを利かない。
「で?いったい何してたんだ?ハルヒコ」
思考がいうことを聞かない。
「なんかさ、違和感があってな。なんて言うか・・・ボタンをひとつ掛け違えたような・・・そんな違和感がさ」
くそっ・・・!!俺はこんなことを聞くつもりはない!!
俺は・・・俺は、いったいこいつに何を聞こうとしてたんだ・・・?
「お前の気のせいなんじゃないのか?」
「そうか」
まただ・・・昨日と同じことを言ってる。
「なんだ、前のお前らしくないぞ」
「前の?」
「いや、なんでもない。忘れてくれ」
「・・・・・・帰るから」
「そうか、じゃあな」
昨日とまったく同じだ・・・いったいどうことだ・・・?
体の自由はもうだいぶ前から戻っている。
くそっ・・・!
いったい何なんだ!!
ここで考えても始まらない。
俺は家に帰って、飯を食って風呂に入っていた。
まったく・・・いったい何なんだ・・・。
と、つぶやいていると妹が入ってきて(もちろん服は着ているぞ)、
「キョンちゃあん!電話だよ!!」
電話?誰からだ?
「わかんなーい。でも、すごくきれいな声してたよ?」
そういって妹は出て行った。
・・・?いったい誰からだ?
・・・考えても始まらないのは何事も同じなんだな。
俺は受話器を握り電話に出た。

もしもし?


俺は昨日のあいつからの電話について考えていた。
え?あいつって誰だ?だと?
あんな狙いすました時間に電話してくるやつなんて一人しかいないだろう。
とりあえず俺が、風呂から上がったところから話そうか。


俺は風呂から上がり、受話器を手に取り
「もしもし?」
といった。
相手は、
「もしもし?夜分遅くにすみません、私です」
といってきた。
もちろん俺はその声の主に対して、
「何だお前か・・・今日は何のようだ?」
といってやった。
ここまで言えばわかるだろう。
電話の相手は古泉だった。
「ええ。実は・・・何と言ったら良いのでしょうか・・・その・・・違和感といいましょうか。そのようなものを感じるんですよ、もしかしたら私の勘違いかもしれませんがね」
・・・そういえばハルヒコもそんなこと言ってたような気がするな。
「涼宮さんが?なるほど・・・」
?何がなるほどなんだ、俺にもわかるように説明してくれ。
「いえ、まだ確証がありません。今私に言えることは気をつけてください、としか」
そうかい。
用件はそれだけか?なら、切るぞ。
「はい、夜分遅くにすみませんでした。それではまた明日」
その後、俺は部屋へと行き雑誌やら漫画やらを読んでいるうちに睡魔に襲われ夢の中へと沈んでいった。


そしてその日、また俺は夢を見た。
北高の制服にカーディガンを着た女子生徒だった。
そいつは悲しそうな目で俺を見ていた・・・


ジリリリリリリリリリリリ!!!!!・・・カチッ
またか・・・この夢は何だ?
何回も見てるんだからどうでもいい夢・・・ってわけじゃなさそうだな。
ま、いつも通り考えてもしょうがないんだし、さっさと学校に行くことにしよう。


学校に続く坂道を、慣れたとはいえ面倒くさいことには変わらない、といいたげな目で登っていると後ろから、
「よお、キョン子じゃないか」
「ほんとだ、おはよう、キョン子」
と声をかけてきたやつらがいた。
もちろん、谷口と国木田(女)だということは1年も付き合ってればすぐにわかる。
にしても・・・いい加減その呼び方はやめてくれないか?
など、無駄話をしながら俺たちは坂道を登っていった。


教室に着くと昨日と同じようにハルヒコの席が空いていた。
「珍しいね、涼宮さんが休みだなんて」
そうだな、しかも二日連続とはな。
「二日?涼宮さんは昨日は来てたと思うけど?」
は?何言ってるんだ。
ハルヒコは昨日も休んだだろう。
「おい、キョン子。また頭でもおかしくなったか?」
何言ってやがる。
どっちかって言うとお前のほうが頭がおかしいと思うんだが?谷口。
「おいおい、せっかく親友が心配してるって言うのにそんな言い方はないだろう」
俺はお前と親友になったつもりはない。
「ま、そんなことはどうでもいい」
お前のほうから話を振ってきたんだろう。
「言っておくが」
無視か。
「涼宮は昨日来ていたと思うぞ」
俺の意見を無視した挙句、お前までそんなことを言うか。
ん?何だ?違和感がある・・・。
だが、その違和感もほんの一瞬で治まり、治まったと同時に朝のHR開始のチャイムがなった。


その日の放課後が来るまで、俺はずっと朝のHR前に感じたあの違和感を授業のたびに感じていた。
なぜかって?そんなもん俺が知るわけないだろう。


そして放課後


もちろん俺はSOS団が住み着いている文芸部室へと向かって足を運んでいた。
理由は・・・まあ、言うまでもないだろう。
そして部室の前へと着いた。
俺は3回ほどノックし扉を開けた。
そこにハルヒコの姿はもちろんなく、ほかの3人・・・つまり朝比奈さんと長門と古泉がいた。
「こんにちは」
古泉、そんな挨拶はいらん。
「そうですか?」
そんなことより・・・もうみんな気づいてるんだろ?
というと、古泉はいきなり真顔になり、
「やはり・・・あなたも気づいてたんですね。いつからです?」
と聞いてきた。
いつからだって?・・・昨日とまったく同じ内容の授業を聞けば誰だって気づくはずだ。
「いえ、そうとも限りません。何しろ今回の騒動は涼宮さんが原因ではないのですからね。我々、機関も今回の騒動には本腰を入れて調査することになりました。」
お前たち機関のことはどうでもいい。
それよりこの状況を説明しろ。
「・・・わかりました。ですが、最初にいっておきたい事があります」
・・・なんだ。
「今回の件・・・これは少し・・・いえ、かなり厄介なことです。あなたに知らせずに私たちで事件の解決を図る、ということもできなくなりました」
何で俺に知らせずに解決させる必要が・・・いや・・・今はそんなことどうでもいいな。
さっさといってくれ。
「今回の騒動・・・つまり性転換のことですが・・・原因は涼宮さんではないと、私は言いました。ですが、現在起こっているこの事件・・・我々が時間を延々と繰り返す・・・この時間ループは、涼宮さんが原因です」
な・・・!?
誰が原因かわからない性転換に加えてハルヒコが原因の時間ループだと!?
そんなことってありえるのか!?
「ありえない・・・と、思いますか?現にこうして、私たちはその『ありえない事態』に巻きこまれている訳ですから」
そんな馬鹿な・・・。
と、今までずっと本を読んでいた長門が、
「この事態になることは僕も情報統合思念体も予想はしていた。しかし可能性は限りなく0%に近かった。だから情報統合思念体も見逃していた」
・・・情報統合思念体も間違えることはあるんだな。
で?俺たちはどうすればいい?
「様子を見るべき。今は打開策が見つからない」
そうか・・・。
「我々、機関も調査を開始したと言いましたよね?その件でひとつ言っておきたいことがるのですが・・・」
何だ?
「機関は涼宮さんに影響を受けた人たちの集まりです。ですからこの騒動の影響は受けない」
・・・それがどうかしたのか?
「明日・・・いえ、正確に言えば今日から新川さんと森さんが教師としてこちらに派遣されることになっています」
だが、それじゃあ不自然なんじゃないか?
「そのあたりは我々機関に任せてください」
お前がそう言うならいいが・・・。
「では、今日はこのあたりで解散にしませんか?日も暮れてきたころですし」
そうだな・・・、帰るとするか。
「ではまた明日」
そして俺はみんなと別れた。
そういえば朝比奈さん・・・今日はずっとうつむいたまま何もしゃべらなかったな。
どうしたんだろう・・・。
明日聞いてみるか。


俺は帰ってすぐに、飯を食って風呂に入って、現在寝る準備を終えて寝る時間になるまでどうしようかなー、と考えていたときだった。
ピリリリリリリリリリリ・・・・・・ピリリリリリリリリリリリリ・・・・
という着信音が誰かからの電話を知らせた。
こんな時間に誰だ・・・?
そんな誰でも抱くような疑問をつぶやきながら、携帯電話を手に取った。
ピッ
もしもし?


次の日

俺は驚いていた。
そりゃ、昨日(いや正確には無限ループが始まる前だが)まで俺たちの担任でぴんぴんしていた岡部教諭がいきなり急病で入院することになったと言われれば誰だって驚くだろうさ。
おまけに新しい担任が荒川さんって・・・不自然すぎやしないか?
そのあたりは古泉いわく機関が何かしているんだろうが・・・ま、気にしていたってどうにかなる問題じゃないな。
それに谷口のほうを見てみると、
「かっこいいな・・・」
何てこと言ってやがる・・・とうとう心まで女になっちまったか・・・谷口よ・・・。
とりあえず、俺以外は何の違和感もなく受け入れてるのでよしとしよう。
だが問題は昨日の電話の内容だ。
とりあえず順を追って話そう。


昨日の夜、ある人から電話がかかってきた。
その、「ある人」とは、
「もしもし・・・?キョンく、さんですか?」
朝比奈さんだった。
「少し話したいことがあるんです・・・」
何ですか?
「あの・・・詳しく言うと、この時間に時間断層があるんです・・・それが3年前にも影響を与えているんです。そして未来にも」
・・・はい?あ、あの・・・言ってることがよくわからないんですが・・・。
「つまり3年前の歴史が変わり始めているんです。このままだと涼宮さんと・・・その・・・誰かさんの影響で歴史がすべて変えられてしまいます」
えっと・・・つまり歴史を変えられるのはまずいからそれを俺にとめてくれ、って言っているんですか?
「はい。お願いします」
はあ・・・わかりました・・・できる限りのことはやってみます・・・俺としてもこのままでいるつもりはありませんし。
「本当ですか!?よかったぁ~・・・じゃあ、お願いしますね、キョンさん」
あの・・・できればさん付けは・・・。
「あ、はい。それじゃ、おやすみなさい、キョンちゃん」
おやすみなさい。
プツッ・・・・・・はあ・・・あなたはちゃん付けですか・・・それはそれではずかしいんだが・・・こんななりだしな。
そっちのほうが違和感がなくていいか。
そして俺は寝ることにした。


朝比奈さんからのお願いだから簡単に引き受けちまったが、世界の歴史が俺の双肩にかかってるって?
結構やばいことなんじゃないか?それって・・・。
だが引き受けちまったものはしょうがない。
ん?荒川さんの自己紹介だな。
とりあえず知り合いだし聞いておくことにするか。
「はじめまして、私の名前は荒川と申します。始めてこの職業に就きますのでいたらないところもあるでしょうがよろしくお願いいたします」
と深々とお辞儀をした。
確か、荒川さんとは朝比奈さん誘拐事件以来だったな。
あの時は燕尾服だったが普通のスーツも似合ってるな・・・。
さすが執事だな。
荒川さんへの質問(主に女子の)でHRは終わった。
もちろんハルヒコは来ていなかった。


放課後、俺はもちろん部室へと向かっていた。
部室の扉の前に立ちノックする。
中には古泉と長門しかいなかった。
「朝比奈さんはお休みだそうですよ」
そうなのか?・・・どうしたんだろうな。
帰ったら電話でもしてみるか。
ところで荒川さんが担任なのは分かるが森さんはどうしたんだ?
「保険医を務めることになったそうですよ」
あの人が?
・・・でも、あの人が授業をしているところなんて想像できないから、それでいいかもしれん。
そんなことを話しながら古泉とボードゲームをしていると、いつの間にか寝ていたらしく、夜になっていた。
古泉はもう帰ったらしく、部室には長門しか残っていなかった。
「・・・・・・・・・」
相変わらず無言無表情で本を読んでいる。
だがいつもの長門ならとっくに帰っている時間だ。
俺はどうしたのかと聞いたら、
「あなたを待っていた」
といった。
「そうか、それじゃ帰るか」
「・・・」
長門は無言でうなずき、本を慣れた手つきで鞄にしまい立ち上がった。
その手には傘が握られていた。
あれ?今日雨なんて降るのか?
「5分後に降る」
そうなのか?しまったな・・・今日傘もって来てないぞ・・・。
「使う?」
え?
「傘」
いいのか?
「いい」
そうか悪いな。
「別にいい」


帰り道での会話は会話といえるものではなかった。
俺が何か聞いても、「そう」とか「別に」とかうなずくことしかしない。
俺が傘もとうか、と言おうとしたがあいにく女の俺より男の長門のほうが身長が高いのでそれはいえなかった。
ま、仕方ないよな。
そんなこんなで長門のマンションに着いた。
「じゃあな、長門。ここまで傘に入れてくれてありがとよ」
と言うと長門は何を思ったのか、
「これ貸すから」
といって傘を俺に渡してきた。
「使っていいのか?」
「いい」
と言ってすぐに自動ドアの中へと入っていってしまった。
俺は長門に借りた傘を開き、帰路へとついた。



家に帰った俺を待っていたのは・・・
「おう、キョンお邪魔してるぞ」
ハルヒコだった。
ハルヒコは俺に一回挨拶しただけですぐに俺の妹とのゲームを再開した。
って!!なんでお前が俺の部屋にいるんだよ!!
「別にいいだろ、なあ?」
「べっつにいいよ~☆キャハハ」
あのな・・・ここは俺の部屋だぞ?
まったく、仮にも女の部屋だぞ・・・まあ、家具とかはほとんどないけどさ・・・。
でもどっちにしろ俺の部屋には変わりないんだ。
「あ、そうそう、いい忘れてたけど」
ん?何だ?
「今日、俺泊まっていくから」
かってにし・・・は?今なんていった?
「だから、お前の家に泊まるんだって。ちゃんとお前の親にも了承を得たから大丈夫だ」
いやいやいやいや、大丈夫じゃないだろ!!
「何がだ?」
いや、お前・・・はぁ・・・もういいや・・こいつはやるといったら必ずやるからな・・・。
「よし、決まりだな!!」
ん?おまえいったいどこで寝るつもりだ?うちには余り部屋なんかないぞ。
そのときハルヒコは衝撃の一言を言い放った。


「ここで寝るに決まってるだろうが」


もちろん絶句したね。
ここで?俺とお前が?
「そうだ。何か問題あるのか?」
・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・しょうがない・・・
こいつは決めたらてこでも動かないからな。
「さてと、それじゃ準備でもするかな」
よく見るとハルヒコの横にはでかいスポーツバックが置いてあった。

用意周到なやつだな・・・本当に・・・


その日の夜、俺は無駄だと知りつつもハルヒコを説得しようと奮闘していた。
だが、
「おい、ハルヒコ。お前本当にこk」
「俺はここで寝るぞ」
という感じでちっとも説得できない。
くそっ・・・本当にてこでも動かないなこいつ・・・。
さて、どうしたものかと考えていると
「キョンちゃん、お風呂沸いたよー」
という弟の一言によって俺は風呂へと一時撤退を決めた。

はぁ・・・ハルヒコのやつ、いったい何考えてるんだ?
ちっともわかりやしない。
俺は湯船につかりながらそんなことを考えていた。
俺の家に泊まるだと?
何のために?
・・・こればっかりはハルヒコ自身に聞くしかなさそうだな。
そう決めた俺は湯船から立ち上がろうとした瞬間、
ガラッ、という音とともに入ってきたやつがいた。
「あれ?キョン、もう上がるのか?」
・・・・・・・・
言葉にならなかった。
ちなみに今の状況は
俺(女)
ハルヒコ(男)
であり、普通は入ってきてはいけないんではなかろうかという疑問にたどり着くには5秒もかからなかった。
俺は大きく息を吸って吐き、こういった。
「ハルヒコ、何をしている?」
腰にタオルを巻いたハルヒコは、
「背中を流してやろうと思ってな」
と言った。
ふぅ・・・何を言っているんだ?こいつは。
今の状況を考えたのか?
いや、考えてなどいないだろう。
よしんば考えていたとしてもおそらく、考えていた時間は2秒にも満たないだろう。
そうでなければ普通(一応)女の入浴中に男が入ってくるなどという暴挙に及ぶはずがないからだ。
そして俺はもう一度深呼吸をして、
「出ろ」
と一言だけ言った。
できる限りの殺気をこめて。
一方のハルヒコというと
「そう怖い顔するなよ、変な顔がもっと変になるぞ?」
などとふざけたことをいっている。
ちなみに俺は湯船で肩から下を隠している。
何でかって?そりゃ・・・言わなくてもわかるだろ?
まあ、何はともあれハルヒコは俺の殺気を感じたのか(おそらくつまらなくなったからだろうが)脱衣所から出て行った。
そして電光石火のごとく俺は体を拭き服を着ると、部屋へと入った。


約30分後


ハルヒコのやつが風呂から上がったらしく頬をわずかに上気させながら俺の部屋に張ってきた。
もちろん、ノックは無しだ。
やつは牛乳片手に俺の部屋に入ってきて、入ってきたとたんその牛乳の入っている瓶を一気に――時間に換算すると5秒ぐらいで――飲み干し、どこからかもう一本取り出した。
ってちょっと待て。
なんでハルヒコが牛乳を持ってるんだ?
「お前のお母さんからもらったに決まってるだろ」
くっ・・・お袋の余計なことを・・・。
と、考えてるうちにハルヒコはもう一本を飲み干して、妹とゲームをはじめた。
ハァ・・・こんな状況で言える訳ないか・・・。
俺は仕方なくハルヒコを説得するのをやめてハルヒコと妹がやっているゲームの勝敗の行方を眺めることにした。


しばらくして妹は眠くなったらしいので部屋へと戻っていき、現在はハルヒコと二人きりというわけである。
しかし、お互い何もしゃべらず、じっとしているばかりだ。
ハルヒコにしてはやけに、というかだいぶおとなしいなと思いつつ、どうやって部屋から追い出すか考えていた。
だが、結局ハルヒコが「眠いから寝る」と言ったせいで寝る羽目に。
ハルヒコは床に布団を敷いて、俺はベットにもぐりこむ。
そして数分もしないうちにハルヒコは寝息を立て始めた。
こいつも黙って立ってればもてるのにな、とか考えてると俺も眠くなってきたから睡魔に身をゆだねることにした。
そしてその夜、俺は夢を見た。


そこにいた少女はカーディガンを着た北高の女子生徒だった。
そしてその女の子はどこかで聞いたことのある声でこうつぶやいた。
「扉を探して」
ただそれだけだった。
そしてその女の子は消えていった。
俺は声を出してたしかにこう言ったはずだ。
「待ってくれ!!長門!!」


そして俺は目が覚めた。
隣に床にはハルヒコの姿はない。
かわりに布団が綺麗に折りたたんであった。
あいつ、こういうところは几帳面なんだからな・・・やれやれ・・・。
それにしても・・・あの夢、あの女の子って長門・・・だよな。
何で長門が・・・しかも扉って何だ?
わけがわからない・・・いったい何のことだ?
まったく・・・最近わけのわからないことが多すぎるぞ。
いくら不思議なことに耐性がついたと言っても限度ってものがあるぞ。
ピルルルルルル・・・ピルルルルルル・・・
ん?誰だ?こんな朝早くに。
とりあえず出てみることにした。
「もしもし?」
そして聞こえてきた声は、
「もしもし」
古泉だった。
「何だこんな朝早くに。何か用か?」
「ええ、実は・・・」
何だ?何か重要な話なのか?
「焦らすな、早く言ってくれ」
「そうですね。これは我々にとっては朗報ですよ」
だから焦らすなって。
「そうでした、すみません。では本題に入ります」
ああ
「今日の日付はわかりますか?」
日付?すぐにはわからないが・・・それがどうかしたのか?


「喜んでください、日付が変わっています」




「日付が変わっています」
その報告を受けた俺はリビングに降りて、なるべく平静を装いながら弟に今日は何日かと聞いた。
「キョンちゃん日付もわからないの?今日は○日だよ?」
と胸を張って言う。
少しいらついたがまあ、気にしないことにする。
そして俺はおもむろに時計を見た。
って、もうこんな時間じゃないか!!
俺は朝食の食パンだけを咥えて玄関から飛び出した。
家を出る直前に「食べながら走っちゃだめだぞー」という弟の声が聞こえた気がした。
そして急いできた甲斐もありなんとかHRには間に合うことができた。
一息ついて席に座ったとたん、
「橋は珍しく遅いんだな」
と真後ろに座っているハルヒコが話しかけてきた。
「まあ、いろいろあってな。ところでお前から話しかけてくるなんて珍しいな、何かあったのか?」
「別に」
と、ここで岡部教諭、じゃなかった荒川さんもとい荒川教諭が入ってきた。
そして慇懃な態度で、
「みなさん、おはようございます」
と言うと、なぜか女子(本当は男子なのだが)からおはようございまーすとかかっこいいとかキャーとか黄色い声が飛ぶ。
「やっぱりかっこいい・・・」
そして谷口よ、目が本気だぞ。
その後は荒川さんが場を納めHRが開始される。



HRも終わり授業が開始されるとなぜか頭が痒い。
まあ、理由はわかる。
後ろの席に座っているハルヒコが俺のアホ毛つついたり引っ張ったりしているからだ。
最初のうちは気にならない程度だったのだが授業が進むにつれ、エスカレートしていってるような気がする。
授業も残り5分と言うところ、俺は耐えられなくなったので後ろを振り向き小声で、
「やめろ、痒いだろうが」
と言うと、ハルヒコは少し目をパチクリさせた。
これで大丈夫だろう、そう思い前を向くとなにやら頭に違和感が。
ハルヒコのやつが俺の頭をいじくっているのだ。
しかも今度はつむじまで。
いったいなにを考えてるのやら・・・。
そうこうしてるうちに授業が終わり昼休みになった。
俺は谷口と国木田と言うかわりばえのないメンバーと机をくっつけて食事をしていた。
すると谷口が突然、
「なぁ、キョン子。お前授業中ハルヒコに頭触られてただろ?」
といってきた。
それに乗るように国木田が、
「へぇ、そりゃまたなんで?」
と言うものだから俺は答えずにはいかない。
しかし、聞かれても俺は答えることができない。
なぜならハルヒコに俺の頭を触っていた理由を聞こうにもあいつは昼休みになると必ずどこかに行くんだからな。
だから俺は、
「知らない、それはこっちが聞きたいくらい」
と言ってやった。
「本当に知らないの?」とこれは谷口。
さらに谷口は続けて「だってあんた授業終わる前にハルヒコと何か話してたじゃん」
まあ、それはそうなんだがハルヒコは一言もしゃべってないんだ。
「そうなの?ならいいけど」
やれやれ、やっと引き下がったか。
そして5時間目、6時間目もハルヒコのやつに頭をいじられた挙句さらには髪の毛を抜かれそうになるという事態に。
もちろんやめさせたが、あいつはいったいなにがしたいんだ?


そして放課後。

もちろん俺含むSOS団の面々は文芸部室にいた。
っていうか、俺が教室を出たときにはまだハルヒコは教室にいたはずだ。
なのになぜ俺より早く部室にいるんだ。
「遅いぞ、これから会議を始めるんだからな」
会議?
「そう、会議だ」
なんの?
「SOS団の」
それはわかる。なにについての会議だと聞いている。
「SOS団の明日の予定」
明日、と言うと土曜か。
「そうだ、明日はキョン子の家に行くことにする」
やれやれ・・・勝手に・・・って今なんていった?
「キョン子の家にいくことにする」
冗談だろ・・・?
「冗談じゃないぞ」
・・・はぁ・・・。


結局・・・こうなるのか・・・。
今日は土曜日、本来ならいつもの喫茶店で集まって不思議探しのペアを決めているころなんだがなぜ俺の家にいるんだろうな。
理由は簡単。
ハルヒコのこの一言だ。
「俺が行きたいから」
よりによってなんで俺の家なんだ・・・。
他にも行く所はあっただろうに・・・。
「つべこべ言うな」
と、これはハルヒコだ。
別にいいじゃないか、文句ぐらい言ったって・・・。
「あの・・・迷惑なら、わ、僕帰りましょうか・・・?」
と、これは朝比奈さんの言葉だ。
「朝比奈さんはかまいませんよ。まあ、突然私の家に来るなんて言い出したのはびっくりしましたけどね」
こういったらなぜか朝比奈さんは「わ、私・・・?」と疑問系でつぶやいていた。
何か変なことでも言ったのか?
ちなみに今は古泉のやつが持参してきた人生ゲームをやっている。
何が悲しくて休日に高校生5人(プラス小学生1)が集まって人生ゲームなどやらなければいかんのだ。
と、俺が言うと古泉が、
「さすがに6人で遊べるゲームなどあるわけありませんし、ちょうどいいのでは?」
と、至極まっとうなことを言った。
しかもなぜか最下位にはみんなにジュースをおごるという罰ゲームつきだ。
そして現在最下位は俺だったりするわけで、このままだと6人分のジュースを俺が買ってこなければいけない羽目になるのだ。
さて・・・少し本気でも出すか。


30分後


俺はコンビニから袋を提げて家に帰る途中だった。
理由は簡単、人生ゲームで最下位になったからである。
でもあんなのはないよな。
まさか三回連続で一回休みなんて普通はないぞ、まったく・・・。
そして自転車に乗ろうとしたときに声をかけてくる人物がいた。


「久しぶりだね」



俺はその声にすこし戸惑った。
そんな俺をよそに声の主、佐々木は俺に近づいてきた。
「しかしかわいらしい姿になったね君も。このまま持ち帰ってしまいたいぐらいだよ」
というかこいつは性別が変わっていないのか。
「でもまさか、君とこうして対等の位置で話すときが来るなんてね。ほら、中学であったときから君のほうが背が高かったからね。だから僕もすこし戸惑っているんだよ」
といいながら微笑む。
しかしこいつの偏屈ぶりは昔から変わってないみたいだな。
それにしてもどこからどう見ればお前が戸惑っているように見えるんだ?
「ん?わからないのかい?」
当たり前だ。
「そうかな・・・けっこう僕も戸惑ってるんだけど?」
だからそうは見えないって。
「ふむ。ところで君は何でここにいるんだい?」
俺は罰ゲームだ。
「その手に持ってる袋は?」
罰ゲームの内容だ。
「中に入っているのは飲み物かな?」
そうだが・・・。
それよりお前こそなんでここにいるんだ?
「僕は散歩していただけさ。散歩していたところに君を偶然見かけたから声をかけてみた、ただそれだけさ」
お前この辺に住んでたっけ?
「今日はたまたまここに用があっただけさ。明後日辺りにはもういなくなるよ」
そうなのか。
しかし相変わらず変なしゃべり方だな。
「変といわれても苦笑するしかないね。なんせこのしゃべり方がもう身についてしまってるんだからね、変えようと思っても変えることなんてできないよ」
それもそうだな。
「ところで涼宮さんは元気かな?」
ハルヒ?なんでお前がそんなことを聞くんだ?
「ただのきまぐれさ。で、元気なのかい?」
まあ、元気は元気だが・・・。
「そうか。性別が変わっても元気なのはいいことだね」
ああ・・・ってなんでお前がそのことを!?
「君が性転換しているのにわからないわけがないだろう?」
そんなもんなのか・・・。
「そんなものさ。それともここで予測できた理由を言おうか?」
いや、いい。長くなりそうだからな。
「賢明な判断だね。じゃあ、僕はこの辺で。少し野暮用があってね」
そうか。まあ、またどこかで会えたらな。
と俺が言うと佐々木は驚いたような顔になって(こいつの驚く顔なんてめったに見れないかもしれないな)、その後にすこし微笑を浮かべて、
「うん、じゃあ、また」
とだけ言った。
そして後ろを振り返って歩き出そうとするといきなり手をつかまれた。
手をつかんだのは無論、佐々木だ。
「言い忘れてたけどね」
何だ?
「涼宮さんには気をつけるんだよ」
は?
「それじゃ」
それだけ言うと佐々木は走ってどこかへ行ってしまった。
気をつけるって言ったって何に気をつければいいんだ・・・?
悶々としながらも俺は時計を見た。
ってもうこんな時間じゃないか!
早く帰らないとハルヒコのやつに何を言われるかわかったもんじゃない。
そして俺は走って家に帰る羽目になった。


そして帰ってきた俺を出迎えたのは、
「おそいぞ、キョン。待ちくたびれた」
と、すこし不機嫌そうな我らが団長様である。
しかし頭上から声が降ってくるのは慣れないな。
というかあんまり慣れたくないな。
とハルヒコがいきなり、
「なんで遅れたんだ?」
と聞いてきた。
「ああ、コンビニの前で知り合いと出くわして」
「ふーん」
とそれだけ聞くと俺の持っていた袋の中身から一本ジュースを取り出すと他に3人と話し始めた。
「キョンちゃんご苦労様」
とねぎらってくれたのは朝比奈さんだけだった。
はぁ・・・はやく元に戻りたい・・・。
しかしその願望はあえなく崩されるのである。


そして人生ゲームの罰ゲームを終えてから3時間がたち、いい具合に日が傾いてきたころ。
「じゃあ、そろそろ帰るわ」
といったのはハルヒコ、それに続いて古泉、朝比奈さん、長門が続く。
一方弟になってしまったわが妹は、
「えー、もう帰っちゃうのー?」
とか言っている。
まあ、それなりに楽しかったしその気持ちはわからないでもないがな。
そしてみんなが帰っていった。
そして部屋に戻るとそこは申し訳程度に家具がある俺の部屋が適度に汚れていたのですこし掃除をすることにした。
掃除をしていると俺の携帯の着信音が聞こえる。
いったい誰からだ?というか最近電話に出て朗報だったことはほとんどないからな・・・。
ここは出ておくべきか?
そう考えてると唐突に着信音が切れた。
待ちきれなかったのか・・・たぶん相手はハルヒコだろうな。
とりあえず用件は学校であったときにでも聞こう。
そう思い至り掃除を終えた俺は布団にもぐりこんだ。

そして眠りについた。


そして夢を見た。
あの無表情な『女の子』の長門が何かをしゃべっている。
ほとんどそれは聞きとれずわずかに「鍵を・・・」とだけ聞こえた。
俺は夢の中で体を動かそうとする。
だけどその動かそうとする体を何かに締め付けられたような感覚が襲う。
そして長門がフッと消えて・・・



そこで俺は目が覚めた。
今回の夢ははっきりと覚えてる・・・。
長門は俺にいったい何を言おうとしていた?
俺に何を伝えようとしていた?
わからない・・・。
考えれば考えるほど頭の中がおかしくなってしまいそうだった。
しかし考えるのをやめるわけにはいかない。
そういう考えが自分の中にあった。
そして俺は長門の住んでいるマンションに行く決意を決めた。



自転車で約20分ほど。
長門の住んでいるマンションに着いた。
これでもだいぶ飛ばしてきたから体が休養を求めている。
しかしなにか得体の知れない焦燥感に駆られて体をとめることができない。
マンションのパネルの数字を押す手が震える。
俺はどうにか708と押すと『男』の長門が出た。
出たのはいいがなんて話せばいい?
俺はすっかり忘れていた。
このことをどういえばいいのかということを。


そして長門がでて1分にも満たないがとても長い沈黙が続いた。
そして覚悟を決めたそのときに不意に長門が、
「あがって」
と言ったと同時に目の前の自動扉が開いた。
入っていいのか・・・?とも思ったがせっかく覚悟を決めたんだ、行かないわけにもいくまい。
そして俺はエレベーターの乗り7階のボタンを押し目的地に着くまでのわずかなあいだ思考を整理することに専念した。


そしてどのぐらいの時間がたったのか、エレベーターの扉が開くとそこには、



いつか見たあの世界――朝倉と長門が戦った――忌々しい世界が広がっていた。



「な・・・!?」
なんだこれは。
なぜこんなものがここに。
俺には理解ができなかった。
すると、
「なぜわかったの」
『男』の長門が俺に向かってしゃべりかけてきていた。
「あと少しで、あなたの望みがかなうはずだったのに。なぜ邪魔をしにきたの」
俺の望み・・・?何を言っているんだ?
「あなたはこの、変わってしまう前の世界に嫌気がさしていたはず」
変わってしまう前?嫌気?
「だから僕ははあなたを助けようと」
・・・なんだ、そういうことか。
答えは簡単だったんだな。
「なに」
「あたしは、いや俺は別に前の世界に嫌気がさしてたわけじゃないんだよ」
「うそ」
「うそじゃない、俺はな嫌なことならできるだけ避けて通るさ」
「・・・・・・」
「そもそもだ、『あの』長門ならこんなことはしない。それは俺がよくわかってる」
「・・・・・・」
「だからさ、こんな芝居はやめろよ。『朝倉』」


「なんで、なんでわかったの?」


と『朝倉』が言った瞬間この世界は消えてしまった。
そして『朝倉』自信も消えていった。
いつか、俺を殺そうとしたアーミーナイフだけがその場に残っていた。
そしてナイフのそばには『女』の長門が倒れていた。
倒れていたがすぐに立ち上がると、
「ごめんなさい」
と一言言い、続けて、
「あなたには迷惑をかけた。これは私のミス、朝倉涼子の情報がわずかにこの地に残っていたため起こった現象。でももう心配ない、なぜなら」
「もういい」
「・・・・・・」
「お前はもう無理はしなくていいんだよ」
俺の体はいつの間にか男の体に戻っていた。
そして服もちゃんと男物になっていた。
そして俺は言葉を続ける。
「でもな、また今日みたいに無理をしてしまいそうだったのなら俺たちに言え。ハルヒに言えないのなら俺に言え。お前ばっかり苦労させて自分はのうのうと生きていられるような、俺はそんな人間じゃない」
「・・・・・・」
「ま、そういうことだ。なにかあったら俺にいえよ?ま、俺みたいな凡人じゃ何の力にもなれないだろうがね」
「・・・・・・」
長門は終始無言だった。
・・・ま、いつものことだしいいかな。
それだけ言うと俺は家に戻り『妹』になんで家を出たのかと聞かれたが平静を装い適当にごまかしておいた。
そしてその日の夜、最後の夢を見た。


カーディガンを着た女の子が微笑み、実際に口にしたわけではないのに。
なぜか動いた口は、
『ありがとう』
といっているように見えて、少しだけうれしい気持ちになった。




エピローグ


結局性転換事件についてハルヒは何も覚えていないようで、古泉はもはや苦笑いするだけだった。
朝比奈さんにいたってはほとんど覚えていないようだし、何事も万事解決ってわけだ。
ちなみに長門はあの後二日ほど休んだ以外は特にこれといったこともなくすでに部室の置物状態になっているといっても過言ではない。
そんなこんなでいつものSOS団の日常が再開され、ハルヒが面倒ごとを抱えて部室の扉を蹴り飛ばす日々が続いた。


はぁ・・・やれやれ・・・しょうがないか



fin
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おもしろい!
Posted by 傘凪 at 2009.04.05 14:20 | 編集
漢字の間違いが多い。今日->橋になってるのと一つハルヒコが晴彦になってるww        直しとけ。続編を楽しみにしている。
Posted by 傘凪 at 2009.04.07 03:16 | 編集
はじめまして。読みやすくておもしろかったです!
それぞれのキャラの特徴が良く出ていて、楽しく読むことができました。個人的にはどんどん女の子化していく谷口が、見てて楽しかったです(笑)
またちょくちょく遊びに来させてもらいますね~
Posted by 神田夏美 at 2009.05.05 12:31 | 編集
>神田夏美s
おお、ありがとうございますw
こんなものでも見てもらえるとうれしいですw
Posted by キョン at 2009.05.05 15:21 | 編集
すごいです。
いったいどれくらいかかったんですか?
Posted by ひっきー at 2009.05.15 14:05 | 編集
>ひっきーs
え、すごいですか?
一応時間的にはがんばれば二日三日程度で終わるものですよ
でもちまちま書いてたんで1~2ヶ月かかりましたね=ω=;;
Posted by キョン at 2009.05.16 19:18 | 編集
イラストほしぐらいですね
Posted by ココ at 2009.05.30 17:40 | 編集
こんにちは!Lelouchです!

よんでてとても面白かったです!
次も読みますねw
Posted by lelouch at 2009.08.31 10:22 | 編集
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