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2011.03.21

遅れまして・・・

はいどうも、田中五十六です
本当は昨日上げるつもりだったんですが、昨日は放送フェスタなるものがあったために忙しくてできませんでした
というわけで一日遅れですが本日上げます
第一話 『三週間前 富山県在住の高校生』

……富山権威別意はありません、ただ地元なので書きやすかっただけです
それから前回のプロローグにて友人M氏の指摘により、Mig-29をMIg-21へ訂正しました
次回のアップは四月の後半になりそうです
ご意見ご感想をお待ちしております
それでは続きから本編をどうぞ





富山県在住の高校生

富山県東部。
もっとも早くその現象が始まり、もっとも被害が大きかった地域。
物語はここから始まる。
そこに住む少年は自分がそんなことに巻き込まれようとは思ってもみなかった。
ごくごく一般の家庭。
家族構成は、父、母、妹が一人。
絵に描いたような『普通』。
身長、体重、体力、学力、彼女いない暦……どれをとっても平均(アベレージ)。
そう、どこにでもいるような一人の高校生。
それ滝元 道弘だった。

「道弘!遅刻するわよ!」
母の声にゆっくりと目を開ける。
時刻は7:45。
自宅通学している道弘にとっては十分間に合う時刻だ。
「道弘!」
「……今起きる」
いつもの朝と同じだ。
1月第一月曜。新学期の始まりだ。
のそのそとベッドから這い出して、リビングのある階下へと降りる。
「朝ご飯はおいてあるから。それからテレビとエアコン消してから行ってね」
母はそれだけ言うと近所のスーパーへと出勤して行った。
今年中学に進学したばかりの妹と、公務員の父はもう出て行ったのだろう。
一人になった部屋にテレビからニュースキャスターの事務的な声が響く。
『――次のニュースです。今月5日、八尾市の会社員北田さん宅で北田さん一家と思われる遺体が発見された事件 について、警察は昨日記者会見を行い、この犯行が連続殺人である可能性があると発表しました』
 テーブルにおいてあるトーストをかじり、ぬるくなったミルクでのどに流し込む。
 何か物足りないと、冷蔵庫をあさりに行く間にもニュースは進む。
『北田さんはのどを鋭利な刃物で切られたようで、今月1日から続いている殺人事件と手口が似ていることから、 同一犯による連続殺人であると判断したということです』
「立て続けに8件ねぇ……。警察もまだ正月ボケが抜けてないんじゃねぇの」
音声を右から左に聞き流し、道弘は新聞に目を通していた。
目立つ見出しはというと、

『学習指導要領変更 自治体反発』
『発達した寒気により日本海側で豪雪』
『鳥インフルエンザ富山で大流行』
『自衛隊輸送機墜落か 防衛省事実を否定』
『連続殺人に新たな被害者』

といったものばかり。
「やってらんねえな。ちったあ明るいニュースはないのかねぇ」
『警察は今日午前10時から検問を設置し、情報収集に当たるとのことです。それでは今日の気象情報を、佐藤さ んお願いしm』
テレビを切り時刻は8:00。そろそろ出ないと間に合わない。

ピンポーン……ピンポピンピンピンポピンポーン
マフラーを巻いたとき、妙な符丁で呼び鈴が鳴った。
「……また平河か」
ドアを開けると
バシャっ
道弘の顔面に雪の塊がヒットした。
「はっはっは、あけましておめでとうだぜ、滝元」
「……新年早々冷たい贈り物だな。ぇえ?平河 大吾君よぉ」
青筋を立てて、道弘は顔に張り付いた雪を引っぺがした。
「いいじゃないか、その低血圧脳を起こしてやると思ってよ」
平河 大吾。
がたいのよい長身の少年は豪快に笑うと先に行こうとする道弘の隣に並んで歩き出した。
「しっかし新年早々と言えばひどい目にあったぜ」
「どうした?家の屋根でも落ちたか?」
「んなわけあるか。俺の実家が県外にあるのは知ってるよな」
「ああ、そうだったな。確か新潟だったか?」
「……長野だ!」
大吾は制服をポケットからipodを抜き、道弘の鼻先に突きつけた。
「ちょっと使ってみろ」
たしかこいつのipodは洋楽しか入ってなかった気が……。
「あん?何だこりゃ」
「そうだよ、壊れたんだよ」
ipodはうんともすんとも言わなかった。
「それもこれも俺が富山に戻ってき――」
大吾が口を開いたとき数台の車両群が彼らの横を走り抜けていった。

ばしゃあああぁぁぁぁ

路上融雪で適度に解けた雪が歩道側に跳ね飛ばされる。
「うげっ」
「おお、これはひどい」
大吾は文字通り水も滴る何とやらになっていた。
「……いや、いい男、ではないか」
「何のことだよ!ってかお前今俺を盾にしやがったな!?」
「ナンノコトデショウ?」
そ知らぬ顔で口笛を吹く道弘。それを横目に大吾は制服に張り付いた雪を払った。
もちろんそれを道弘に投げつけるのも忘れない。
「ったく、またあいつらか!」
「あ?さっきのジープの連中、見覚えあるのか?」
「むしろないほうが驚きだ、今のご時世」
大吾はジープの走り去った方向をにらみつけていった。
「自衛隊だよ」
そういえばさっきのジープは国防色に塗ってあった。
ここ最近の自衛隊は活動が活発化している。
ニュースにあったとおり輸送機が墜落したり、朝鮮半島からの防衛といって日本海沿岸に自走砲陣地を建設してみたり、山間部に防空壕を作る計画を持ち出してきたり……。
言い出せばきりがない。
……まあ、海の向こう側でドンパチやっているようでは仕方ない気もするが。
鳥インフルエンザが蔓延している中、もっぱら対策を打って出ているのは自衛隊なのだから県民である彼らが不満を言える立場ではないのだ。
「で、またというのは」
投げつけられた水っぽい雪を払いのけながら尋ねる。もちろん投げ返すのも忘れない。
「実家から帰ってくるときにな、検問所に引っかかってよ。ほら、鳥インフルエンザはやってるだろ、それでの消毒だったんだが……」
そこで大吾は一息入れた。ため息の一息だったが。
「普通、車の外側だけ消毒するものを、消毒剤を車内のまでぶちまけやがったんだ」
「ああ、それで運悪くお前のipodが壊れた、と」
「悪意があるとしかおもえねえ!」
「まあご愁傷様。でもよかったじゃねえか」
「何がだ?」
わけがわからないというように、大吾は雪玉をこねる手を止めた。
「お前自身が消滅しなくて」
 ……。
「……滝元道弘君。君は俺がウィルスか病原菌か何かと思っているのかい?ひょっとして」
「あれ?違ったか?」
「テメェ……!」
投げる雪球クリーンヒット。
二人はその後死闘を繰り広げ、初日早々遅刻する羽目になった。


通りを走るジープには二人の男が乗っていた。
助手席側には老人、ハンドルを握るのは青年だった。
「『あれ』がお宅の生徒ですか……」
スモークガラス越しに彼らを見ていた青年が口を開いた。
発する言葉には険がこもっている。
「見苦しいところをお見せして……」
「それはかまいませんが、先が思いやられますね」
「……そうですか」
「ええ」
ハンドルを右に切り青年は短く答える。
しばらく車内はエンジンの響きと、タイヤが水を掻き分ける音だけになった。
「おそらく――」
目的地にたどり着く少し前にようやく青年は会話を始めた。
といっても一方的に、自らのいたった結論を述べるだけだったが。
「半分以上、死ぬでしょう」
ブレーキがかかり、車は止まる。
青年は老人の反応も待たず、車から降りていった。

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