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1998.05.10

リレー小説

知り合いと書いたリレー小説
「ミカエル?」
クレアの声が酒場に響いた。ミカエルの住む寮からはかなり遠く、普段はあまり来ない店だったが酒を飲もうと酒場にやってきたクレアが見つけたのは幼なじみのミカエルだった。
「よぉ!クレアじゃねえか!」
まったくのベロンベロンに酔っ払ったミカエルが大ジョッキを片手に振り向いた。
とたん、酒臭い息がクレアに襲い掛かる。
「お、お前こんなところで何してるんだよ……」
実はミカエルと会うのは5年ぶりだったりする。
クレアとミカエルが最後に分かれたのはまだ彼らが10代だったころだ。すっかり体格も変わってしまった二人、それでも一目見ただけでわかったのは当時からの大の友人だったからだといえよう。
その時、突然ミカエルの座っているテーブルの2つほど隣からがなり声が聞こえてきた。
「コーヒーはどうしたぁッーー!!」
そんな叫び声をあげるのはシュノーケル大佐。酒場の常連である。40代らしい。
ちなみにシュノーケルというのは本名ではない。
本名を明かしたがらない上にシュノーケルを葉巻代わりに使っているためシュノーケル大佐と呼ばれるようになった。
「ハイハイ、もうすぐ来るからおっさんは待ってな――気にするな、ただの任務さ」
「へ?」
まったくの脈絡のない返答にクレアは面食らった。
「『こんなところで何してる』って聞いたろ?」
「いや、これはどう見たって……」
久々にあったミカエルは任務と言う言葉とは程遠く――つまり酔っ払いにしか見えなかった。
「別に酔いたくて酔ってるわけじゃねぇよ。上の連中の命令でしばらくはココに通えって言われてるんだ」
「……上級士官の接待か?」
「そんなじゃないさ」
それだけ言うとミカエルはポケットに手を入れ大佐の座っているテーブルの方へと歩いていった。
クレアがミカエルの言うところの「任務」という言葉の意味を知るのは割と早かった。
大佐はもう眠りについていた。それを確認したミカエルはため息をつきつつ、
「おーい、オヤジー、大佐ここに寝かせておいていいのかー?」
そんなことを言っていたがクレアには別にどうでもよかった。
クレアは少将考えた後、ミカエルにこんなことを言い出した。
「ミカエル、その任務って僕にも手伝えるかな?」
ピタリとミカエルの動きが止まった。
クレアはただ単にミカエルの任務とやらを手伝いたいと言う純粋な思いだったんだろう。
だがそんなことを知ってかしらずかミカエルは――
「――じゃぁ手伝ってもらうか」
パアァァン!
そうつぶやいた後その手に持っているものが火を噴いた。
ハンガーP6、通称TIPE46と言われる小型のハンドガンだった。
その小型さから暗殺によく使われる銃である。その暗殺銃がミカエルの手に握られている。
ミカエルの放った銃弾はカウンターに座っていた男の側頭部を撃ち抜いていた。
「――ッ」
側頭部に銃弾を受けた男は何が起こったかわからないと言う表情で絶命していた。
対して、男を撃ったミカエルは先ほどまで寄っていたとは思えない表情――というよりミカエルの顔に表情などなかった。
そして先ほどまでの活気のあった酒場はシン……と静まり返り、客達はミカエルには恐れの、その傍らに立つクレアには奇異の目をそれぞれ向けていた。
クレアはなぜか撃たれた男の姿から目が離せなかった。
どうしてミカエルはいきなり人を撃ったのか……昔のミカエルは少なくとも無表情で人を殺せるような人間ではなかったはずだ。
どうして……どうして……という思考がクレアの頭の中を駆け巡る、
そして目を向けた先――ミカエルの顔からは何を考えているのか……クレアには全く予想がつかなかった。


これがクレアとミカエルの5年ぶりの再会であった。
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この記事へのコメント
これはww
Posted by ねり at 2010.05.11 01:07 | 編集
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